図鑑JOB ATLAS

情報セキュリティの職種図鑑 — まず地図で、自分の座席を見つける

監視で異常を拾う人、攻めて穴を探す人、壊れた後を片付ける人、仕組みで守る人。同じ「セキュリティ」でも仕事の中身はまるで別物だ。

対象はSOC監視・CSIRTインシデント対応・脆弱性診断/ペネトレーションテスト・セキュリティコンサル・DevSecOps・セキュリティエンジニア(インフラ/クラウド)・GRC/経済安全保障・フォレンジック・セキュリティマネジメント(CISO/PdM前段)。年収は当社取扱求人の実勢と厚労省jobtagの職業情報を独自補正した転職想定レンジ(経験・地域で変動)。

10ROLES

主要10職種の図鑑

SOCアナリストのキャラクターイラスト

SOC ANALYSTSOCアナリスト

400–750万円 目安

アラートの山から本物のインシデントを引き当てる役。日常はSIEM画面とにらめっこしながらのトリアージの繰り返しで、静かな時間が9割、残り1割で判断が全てを決める。

入り方
未経験でも夜勤シフト前提の監視オペレーターから入り、1〜2年でアラート分析・一次対応まで任される流れが王道。
市場感
面接で見られるのは「誤検知と本物をどう見分けたか」の具体エピソード。件数をこなした自慢より判断根拠を聞かれる。
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仕事の中身

  • SIEM(Splunk・Sentinel等)でアラートを24時間体制でトリアージ
  • 不審通信・ログイン試行を過去ログと突合し優先度を判定
  • エスカレーション基準に沿ってCSIRTへ引き継ぐ判断
  • 夜勤・シフト制での一次対応レポート作成

面接で評価される経験

  • 誤検知率を下げるためにルールをチューニングした経験
  • 実際にインシデントの一次検知に関わった具体的な件数と対応

向いている人

地味な繰り返し作業の中に異常の兆しを見出すことに苦がないタイプ。

次の一歩 CSIRTへ脅威ハンティングへセキュリティエンジニアへ
CSIRTインシデントレスポンダーのキャラクターイラスト

CSIRT INCIDENT RESPONDERCSIRTインシデントレスポンダー

550–1,100万円 目安

実際に事故が起きた瞬間に呼ばれる役。日常は平時の手順整備だが、有事は被害範囲の特定と経営への一次報告を同時に回す時間との勝負になる。

入り方
SOCやインフラ運用で異常対応の経験を積んでから、有事対応専門のCSIRTへ異動・転職するのが一般的な道。
市場感
問われるのは「実際にインシデント対応の指揮系統に入ったか」。マニュアルを読んだ経験ではなく、深夜の呼び出しに応じた実体験が効く。
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仕事の中身

  • 検知後の初動対応(隔離・証拠保全・影響範囲特定)
  • 経営層・広報向けの状況報告資料を対応中に並行作成
  • 再発防止策の策定とインシデント対応手順(Playbook)の更新
  • 平時は演習(テーブルトップ訓練)の企画・実施

面接で評価される経験

  • 実際のインシデントで初動対応の意思決定に関わった経験
  • 対外報告・経営報告まで巻き取った経験

向いている人

プレッシャー下でも手順を崩さず、関係者への説明を並行して回せる人。

次の一歩 フォレンジックへセキュリティマネジメントへコンサルへ
ペネトレーションテスターのキャラクターイラスト

PENETRATION TESTERペネトレーションテスター

500–1,150万円 目安

攻撃者の視点でシステムに実際に侵入を試みる役。日常は許可された範囲内で本気で壊しにいく検証作業で、防御側では見えない穴を体で探す。

入り方
脆弱性診断のオペレーターから経験を積み、CTF(競技形式の攻撃演習)や自己学習で技術を積み上げて専門化するのが主流ルート。
市場感
面接で必ず聞かれるのは「診断ツールを回した」か「実際に手を動かして侵入手法を組み立てた」かの差。ここで評価が大きく割れる。
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仕事の中身

  • Webアプリ・ネットワーク・クラウド環境への疑似侵入テスト
  • ツール診断だけでなく手動での脆弱性検証(SQLi・認可不備等)
  • 発見した脆弱性の再現手順と対策案をまとめた報告書作成
  • 顧客への報告会での技術説明

面接で評価される経験

  • CTFや自主学習での攻撃手法の理解を具体エピソードで語れるか
  • 報告書の質(再現性・優先度付け)を語れる経験

向いている人

ルールの穴を見つけることに純粋な興味があり、地道な検証を厭わない人。

次の一歩 脆弱性診断リードへレッドチームへセキュリティコンサルへ
デジタルフォレンジック調査官のキャラクターイラスト

DIGITAL FORENSICS INVESTIGATORデジタルフォレンジック調査官

500–1,050万円 目安

事故の後に「何が・いつ・どこまで」起きたかを証拠から再構築する役。日常はディスクイメージとログのタイムラインを突き合わせる地道な作業で、法的に耐える証拠保全が生命線。

入り方
CSIRTやSOCでの実務経験を積んだ後、専門調査会社や大企業のフォレンジックチームへ移るルートが多い。
市場感
評価されるのは「証拠保全の手順を法的要件に沿って踏んだか」。技術力だけでなく手続きの正確さが問われる。
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仕事の中身

  • 侵害されたディスク・メモリのイメージ取得と証拠保全
  • ログ・タイムスタンプの突合による攻撃タイムラインの再構築
  • マルウェアの静的・動的解析(簡易なものは自ら実施)
  • 調査結果を法務・経営・場合により捜査機関向けにまとめる

面接で評価される経験

  • 実際の侵害調査で証拠保全から報告書作成まで一貫して担当した経験
  • マルウェア解析やタイムライン分析の具体的な手法理解

向いている人

細部の矛盾を見逃さない粘り強さと、手続きを厳密に守れる人。

次の一歩 CSIRTリードへセキュリティコンサルへマネジメントへ
セキュリティコンサルタントのキャラクターイラスト

SECURITY CONSULTANTセキュリティコンサルタント

600–1,300万円 目安

現場の技術と経営判断の間を翻訳する役。日常は顧客の脆弱な体制を言語化し優先順位をつける提案業務で、手を動かすより「どこから直すべきか」を決める時間が長い。

入り方
SOC・診断・CSIRTいずれかの現場経験を3年以上積んでから、コンサルファームや大手SIerの専門部隊へ転じるのが定番。
市場感
面接で問われるのは「現場を知った上で提案しているか」。フレームワークだけを語る候補者は現場出身者との差で落ちる。
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仕事の中身

  • セキュリティ診断結果や現状体制のアセスメントとギャップ分析
  • 経営層向けのリスク説明資料・投資優先度の提案作成
  • ISMS・NIST等のフレームワークに沿った体制構築支援
  • 複数プロジェクトを掛け持ちしながらの顧客折衝

面接で評価される経験

  • 現場(SOC/診断/CSIRT)の実務経験を土台にした提案ができるか
  • 経営層に刺さる資料・説明を作った具体例

向いている人

技術の詳細に固執せず、相手のレベルに合わせて話を組み立てられる人。

次の一歩 PjM/PMOへCISO/セキュリティマネージャーへ独立へ
DevSecOpsエンジニアのキャラクターイラスト

DEVSECOPS ENGINEERDevSecOpsエンジニア

550–1,150万円 目安

開発パイプラインの中にセキュリティを埋め込む役。日常はCI/CDに静的解析・依存関係チェックを組み込んで開発者に嫌がられない仕組みを作る調整仕事が中心。

入り方
アプリ開発かインフラエンジニアからセキュリティ寄りの業務を任されて専門化するルートが多く、開発経験があると圧倒的に有利。
市場感
面接で必ず聞かれるのは「開発チームを止めずにセキュリティを入れた」実例。ツール導入だけでは評価されない。
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仕事の中身

  • CI/CDパイプラインへのSAST・SCA・コンテナスキャンの組み込み
  • セキュアコーディング規約の策定と開発者向けレクチャー
  • IaC(Terraform等)の設定不備を検知する仕組み構築
  • 脆弱性対応の優先度判定と開発チームへのチケット起票

面接で評価される経験

  • 開発フローを止めずにセキュリティチェックを定着させた経験
  • コードやインフラ構成の脆弱性を自ら発見・修正した経験

向いている人

開発者の生産性を理解した上でセキュリティを語れる、両利きの人。

次の一歩 セキュリティアーキテクトへSREへセキュリティマネジメントへ
セキュリティエンジニア(インフラ/クラウド)のキャラクターイラスト

SECURITY ENGINEER (INFRASTRUCTURE/CLOUD)セキュリティエンジニア(インフラ/クラウド)

500–1,050万円 目安

ファイアウォールからクラウドの権限設計まで、守りの仕組み自体を作る役。日常は設定変更が業務影響を止めないかを確認しながらの構築・運用で、地味な検証作業の積み重ね。

入り方
インフラエンジニア・クラウドエンジニアからセキュリティ機能の担当に移り専門化する道が最も多い。
市場感
評価されるのは「本番環境の設計・運用を任された」経験。検証環境だけの知識は現場で見透かされる。
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仕事の中身

  • FW・IDS/IPS・WAF等セキュリティ機器の設計・運用
  • クラウド(AWS/Azure/GCP)のIAM権限設計とセキュリティグループ管理
  • 脆弱性スキャン結果に基づくパッチ適用計画の立案
  • ゼロトラスト移行など中長期の基盤設計プロジェクト参画

面接で評価される経験

  • 本番環境でのセキュリティ機器・クラウド設定の構築運用経験
  • インシデントにつながりかねない設定不備を事前に検知した経験

向いている人

地道な設定確認や監査対応を面倒がらず、正確にやり切れる人。

次の一歩 セキュリティアーキテクトへCSIRTへマネジメントへ
GRC/セキュリティ監査担当のキャラクターイラスト

GRC & SECURITY AUDIT SPECIALISTGRC/セキュリティ監査担当

500–1,050万円 目安

規程と現場運用のズレを埋める役。日常は監査証跡を集めて「本当に守られているか」を検証する地味だが逃げられない仕事で、技術より文書と対話が主戦場。

入り方
情報システム部門やSOC経験者が、内部統制・ISMS運用担当を経てGRC専任へ移るのが典型的な道。
市場感
問われるのは「監査で指摘を受けた後、実際に是正まで持っていったか」。指摘リストを作るだけの経験では弱い。
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • ISMS/Pマーク等の認証維持のための内部監査・是正管理
  • サプライヤーのセキュリティ評価(委託先チェックシート審査)
  • 社内規程と実運用のギャップ調査、現場ヒアリング
  • リスクアセスメント結果の経営会議向け報告

面接で評価される経験

  • 監査指摘を実際の是正・仕組み変更まで導いた経験
  • 現場部門と対立せず粘り強く合意形成した経験

向いている人

細かい文書作業を苦にせず、現場の言い訳の裏を見抜ける人。

次の一歩 経済安全保障担当へセキュリティコンサルへCISOへ
経済安全保障担当のキャラクターイラスト

ECONOMIC SECURITY OFFICER経済安全保障担当

600–1,200万円 目安

法規制と技術の両方を跨いで会社を守る役。日常はサプライチェーンのどこにリスクがあるかを洗い出し続ける調査業務で、正解のない判断を積み重ねる。

入り方
GRCや法務・調達部門の経験者が、経済安全保障推進法対応など新設ポジションに転じる比較的新しいキャリアパス。
市場感
面接で聞かれるのは「規制の条文を読めるか」より「実際に社内の調達プロセスを変えた経験」があるか。
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • 重要インフラ・基幹インフラ関連の規制対応(事前審査制度等)
  • サプライチェーンにおける取引先リスクの洗い出しと評価
  • 技術情報の管理体制(特定重要技術の管理)構築支援
  • 関係省庁とのやり取り・社内向け説明資料作成

面接で評価される経験

  • 規制対応を実務プロセスに落とし込んだ具体的な実績
  • 法務・調達・情報システムなど複数部門を横断して動いた経験

向いている人

変化し続ける制度をキャッチアップし続けることを苦にしない人。

次の一歩 GRCマネージャーへセキュリティコンサルへCISOへ
セキュリティマネージャー/CISO候補のキャラクターイラスト

SECURITY MANAGER / CISO TRACKセキュリティマネージャー/CISO候補

700–1,400万円 目安

セキュリティ組織全体の予算と体制を背負う役。QCDの数字より先にインシデント時に経営会議で矢面に立つ覚悟を持つ立場で、日常は人員配置と優先順位の意思決定が中心。

入り方
SOC・CSIRT・コンサルいずれかの現場でリーダー経験を積んだ後、事業会社のセキュリティ責任者ポジションに転じる流れが主流。
市場感
評価の分かれ目は「技術的な深さ」より「経営に対する説明責任を負った経験」があるかどうか。
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • セキュリティ予算・体制の策定と経営会議での説明
  • インシデント発生時の最終意思決定と対外発表判断
  • SOC/CSIRT/GRC各チームの統括とベンダーマネジメント
  • 中長期のセキュリティロードマップ策定

面接で評価される経験

  • 現場リーダーとして人員配置・予算折衝を経験したか
  • 実際のインシデントで経営層への説明責任を負った経験

向いている人

技術者としての限界を認めた上で、決め切る役割に回れる人。

次の一歩 CISOへ事業会社役員へ独立コンサルへ

この地図の登り方 — 王道は3本

攻めのスペシャリストペネトレーションテスターレッドチーム/脆弱性診断リードセキュリティコンサルタント
仕組みで守る王道DevSecOpsエンジニアセキュリティエンジニア(インフラ/クラウド)セキュリティアーキテクト

SOC監視から入るか、開発・インフラ経験を武器に仕組み側から入るか。入口は違っても、行き着く先は「技術を知った上で決め切れる人」だ。

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